ずぼら人間がミスのない仕事をしようと決意した日

私は今でこそ、よくこんなところまで気付きましたね、と言われることもあるのですが、仕事を始める前はケアレスミスの多い人間だったし、それについてなんとも思わない人間でした。
むしろ細かい事を言う人が苦手で、自分はおおらかな人間だとさえ思っていました。

そんな私が変わったのは、大学院に入ってからです。

恩師の言葉

大学院時代、実験の成果レポートを作ったときのことです。
私のレポートは、フォントはぐちゃぐちゃ、数字の半角と全角が入り混じっているし、桁取りの有無も統一されていないという有り様でした。
それを見た先生は、深い溜息をつき、まじまじと私を見て、「よく聞きなさい」と、真剣に説教してくれたんです。

「君ね、我々の仕事は何だと思う?
目には見えないものに対してデータを根拠に、
『世界で初めて存在を発見しました』『作り出しました』と言うのが我々の仕事だ。
データに少しでも疑いをもたれたら、それはただの妄言になるんだよ。
半角と全角を統一する、桁取りを統一する、データを間違いなく書き写す。
そんなことは知識がなくてもバカでもアホでもできる。
そんなバカでもアホでもできるようなことをやれない君が
『私、こんな物質を世界で初めて作ったんです!』
と言って、誰かに信じてもらえると思う?まぁ僕なら信じないね。

大体、君は矛盾している。
そんなことは細かくてくだらない。そう思って君はバカにしているんだ。
そのくせ、実際にはそんなくだらないことができていない。
くだらないならできて当然だ。
くだらないと思う事こそ、きっちりやらねばならない。」

ぐうの音も出ませんでした。

細かいことに気付き、丁寧な仕事をする人間になるにはどうしたらいいのか、
真剣に取り組み始めたのは、それからです。

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